抵抗溶接 / スポット溶接について

抵抗溶接について

 

抵抗溶接とは

抵抗溶接は、溶接を行う金属(ワーク)の溶接継手部に大電流で通電することにより発生する発熱 (抵抗熱)を利用して溶接継手を加熱し、圧力を加えて行う溶接のことです。
 

抵抗溶接の三大溶接条件

溶接電流、通電時間、電極加圧力を抵抗溶接の三大条件と呼んでいます。
これらの各条件が互いに密接な関連を持っており、適切な溶接条件の組合せを選定することが重要です。
 1. 溶接電流・・・溶接材に流れる電流(アンペア)
 2. 通電時間・・・溶接電流が流れている時間
 3. 電極加圧力・・被溶接板(ワーク)に加える力
この他に、ナゲット径に大きく影響する条件として、電極先端径があります。
 
 

スポット溶接について

 

スポット溶接とは

重ね合わせた2枚(多数枚の場合もある)の被溶接物を電極で挟み込み、加圧状態で大電流を流し、被溶接材の抵抗発熱と、電極および被溶接材への熱伝導をうまくバランスさせ、板・板間の接合部に溶融部を作り接合するものです。  

米国推奨スポット溶接条件

米国抵抗溶接機製造者協会(Resistance Welder Manufacturer’s Association) 略称RWMA
 

RWMA推奨スポット溶接条件表

  1. 本表に示す被溶接材は同一板厚2枚重ねの場合とし、熱間圧延後、酸洗し軽く塗油した軟鋼板で、抗張力30~32kgf/㎜2に相当するもの。溶接の際の表面状況は、黒皮、グリース、酸化物、ペンキ、塵埃などないものとする。
  2. 電極材質は、RWMAのクラス2(導電率75%、硬度ロックウェルB75)とし、先端形状は右図による。dの公差は±0.4mmとする。
  3. 最小ピッチとは、隣の溶接点による分流効果を実用上無視しうる限度を示す。換言すれば、この値以下のピッチで溶接せねばならない場合には、分流効果を考慮して電流値を適当に補正増大しなければならないことを示すものである。
  4. 最小ラップとは右図のLをいう。Lをこの値以下にすると強度が低下する上に、ひずみを生じる。
  5. 溶接時間は電源周波数60Hzにおけるサイクル数を示す。従って10サイクルは6分の1秒にあたり、50Hzの電源で溶接する際は、溶接時間を本表数値の6分の5にしなければならない。

あくまでも目安としてご使用ください。溶接条件は、ワーク・溶接機・電極チップの先端形状、冷却環境等により変わりますので、事前のテスト等で、十分にご確認ください。